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第5回京都本大賞、哲学エンタメ小説が受賞
【関西】京都を舞台にした小説の中から最も地元の人に読んでほしい作品を決める「第5回京都本大賞」に、原田まりる『ニーチェが京都にやってきて私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社)が選ばれ、11月1日、京都市中京区の京都府書店商業組合で授賞式が開かれた。
候補作21作品の中から実行委員が『ニーチェが〜』と塩田武士『罪の声』(講談社)、綿矢りさ『手のひらの京(みやこ)』(新潮社)の3作品をノミネート。一般投票を経て大賞を決定した。
授賞式冒頭、京都本大賞・洞本昌哉実行委員長(ふたば書房)は「町の本屋が厳しい中、現場で苦労を重ねる書店員、京都の本を売るため一緒に盛り上げる人たちが団結して取り組んでいることを地域の皆さんに届けたい」とあいさつ。
『ニーチェが〜』は、主人公の女子高生が現代的風のニーチェをはじめ、キルケゴールやショーペンハウアーなど6人の実存主義哲学者たちと出会い、生きる意味を教わっていくエンタメ小説。
著者の原田さんは「京都の情景と哲学者の思想を合わせた1冊。テーマは『一度きりの人生、後悔せずに愛しきるような生き方を問う』。モラトリアム期にある若者、人生の岐路にある多くの読者に役立ててほしい。コミカライズも進めており、若い人たちに哲学の面白さを広げて行きたい」と語った。
また、「京都ガイド本大賞2017」の大賞『京都パンガイド+大阪・神戸・滋賀』(朝日新聞出版)、リピーター賞のグレゴリ青山『深ぼり京都さんぽ』(集英社インターナショナル)の授賞式も同時に行われ、朝日新聞出版生活・文化編集部の白方美樹実用書副編集長は「京都のパン屋160軒を1冊にまとめた。パンの消費日本一という京都の人に受け入れられたことがなによりうれしい」と喜びを語った。
集英社インターナショナル新書・kotoba編集部の本川浩史副編集長は、出席できなかった青山氏に代わり、「『京都人の京都知らず』を逆手に取った京都本。京都は、底なしの魅力あふれる奥の深い町ということに改めて気が付いた」と述べた。
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