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岩波書店、『広辞苑第7版』来年1月12日に発売へ
岩波書店は10月24日、東京・千代田区の学士会館で10年ぶりの改訂となる『広辞苑第7版』の刊行発表会を開き、2018年1月12日に全国一斉発売することを発表した。1955年の第1版以来累計1190万部以上を販売してきた大型商品の発売に、取次、書店サイドからは歓迎の声が上がった。
当面の販売目標は6月末までの特価期間に20万部。紙の辞書にとって厳しい市況を装丁し、第6版の初回30万部(累計50万部)からは抑えるが、11月3日の予約開始時には朝日新聞15段広告をはじめとして、全国紙・地方紙に全5段、全3段の広告を出稿。さらに12月にも同規模の宣伝を実施するなど、発売向けて大規模なキャンペーンを展開する。
また、発売に合わせて新村出記念財団との共催、朝日新聞社の協力で講座「広辞苑大学」を開講する。3331ArtsChiyodaを会場に、ミュージシャンやコピーライター、芸人など著名人が日本語へのアプローチを語る。
同社・桑原正雄常務は「受講できるのは数百人だが、これがニュースになり、拡散すればこれまで『広辞苑』を意識してこなかった人にも伝わる」とし、その後、地方でも実施していく考えを示した。
予約者特典は『舟を編む』の三浦しをん氏が製作現場を訪ねて書いたルポエッセイ小冊子『広辞苑をつくるひと』を贈る。
発売するのは普通版と2分冊の机上版。普通版は本体9000円(6月末までの記念特価8500円)、机上版は本体1万4000円(同1万3000円)。なお、第6版まで同時発売していたDVD―ROMによる電子版は発売しない。
発表会には主要書店、取次関係者とメディアが参加。会場を移して開かれた懇親会で、あいさつに立った日本書店商業組合連合会・舩坂良雄会長(大盛堂書店)は「書店にとってはありがたいお年玉」と刊行に期待を示すなど、取次、書店関係者からは刊行を歓迎する声が聞かれた。
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