文化通信

　産経新聞出版（東京・千代田区、皆川豪志社長）は10月18日、潮書房光人社（東京・千代田区、高城直一社長）を子会社化することで合意したと発表した。潮書房光人社を事業会社と資産管理会社に分割し、産経新聞出版が事業会社の株式を100%買い取る。実施日は11月１日。買収額は非公表。新会社の名称は潮書房光人新社となり、月刊誌『丸』や「光人社ＮＦ文庫」などの刊行はこれまで通り続けるという。

　産経新聞出版は、株式取得の理由について「潮書房光人社の持つ一次証言による膨大な戦記や、関連する写真アーカイブは、先の大戦をはじめ、わが国の歴史をひもとこうとする人々にとって不可欠の歴史的資産と言える。こうした分野に親和性の高い産経新聞グループに潮書房光人社を迎えることは、同社の独自性と強みを生かしながら、産経新聞グループの持つスケールメリットを生かした事業活動によるシナジー効果を発揮することが期待される」としている。

　潮書房光人社は、軍事・戦記関係の雑誌・書籍で知られる老舗出版社。１９５６年（昭31）設立。 48年創刊の月刊誌『丸』の刊行を受け継いできたほか、元海軍パイロットで「撃墜王」と呼ばれた坂井三郎氏の『大空のサムライ』をはじめ、戦記ものを中心に約１０００点をラインアップした文庫レーベル「光人社ＮＦ（ノンフィクション）文庫」を刊行している。

　産経新聞出版は、産経新聞グループの総合出版社。１９７７年（昭52）設立。産経新聞の言論を書籍面から担うほか、月刊テレビ誌『ＴＶnavi』や月刊『おとなのデジタルＴＶナビ』、終活専門季刊誌『終活読本ソナエ』などを発行している。